中川区S邸
敷地は角地で、工場や事務所ビル2,3層の戸建て住宅など、種類も大きさもバラバラな建物が混在して建ち並ぶエリアにある。
ここでは玄関と階段室を兼ねた3層吹抜の空間を中心に、全体を見渡すことが出来るように空間をつなげていく。
大きな吹き抜けは空間にあちら側とこちら側を、下階には光と影をつくり、そこに住み手の活気が混じりあって各空間をやわらかく関係づける。
外周のアウトラインは各階を少しずらしたり、隙間をつくったりしながら積み上げている。そこで生まれたずれやすきまは、軒となったり、テラスや外部の吹抜など内部空間から続く半屋外空間となったり、内部と一体となって空間を特徴づける。
半屋外空間と内部の吹抜との重なりから、街を見下ろしたり、空を見上げたりと住人の意識に動きを与える。
空間を行き来するなかで生まれるこうした住人の意識や生活のなかの気配が、外観にも表れ、街に溶け込んでいくことを期待している。
